6、インドの町と貧富の格差
悠久の歴史と広大な面積と11億人あまりの人々を抱えるインドは、車とバイク・自転車でひどい交通渋滞である。しかも、放し飼いの牛たちが、わが者顔に大道をのし歩いたり寝そべったりしている。歩道の日陰には、痩せさらばえた老人が手枕で眠りこけている。道端の樹木の下には、ビニールシートの小屋が立ち並び家族で暮らしている。赤子を抱いたサリー姿の婦人や障害者が通る人に手を差し出して者を乞う。旅行者と見れば、子どもにアクロバットや手品をさせてチップをねだる母子や、工芸品やガイドブックをしつこく売りつける物売り。
カースト(身分・出身)制度は、ヒンズー教の地では今なお残るが、それは、人間の存在の根源と尊厳性に関わる問題であろう。大きくは、バラモン(僧−羊・山羊)・クシャトリア(王族−山羊・鶏・卵)・ビアイシャ(農商工業−水牛)・スードラ(奴隷・清掃・サービス−イノブタ)とアチュート(不可触賎民)の5階級に分かれるが、それぞれの階級に職業別の名があり、数え切れないという。ガイドから聞いた話では、食べ物にも区分がある。また、別の階級には入れない。イスラムや仏教徒が入るとすればスードラになるそうだ。 |