エーゲ海クルーズを企画して、35人で行って来た。エーゲ海の夕日の色や紺碧の海、古代遺跡の壮大さ、島々の美しさ、ギリシャ悲劇の風土などは、旅人をして深い感興をそそる。

 さらに私は、猫たちをカメラに収める使命を自身に課していた。コスモポリタンの彼らだが、時には先祖がえりした風貌と毛並みの惚れ惚れする貴族に出会わないとも限らないのだ。

 クレタ島の鄙びた集落では、人なつこくベンチに寝そべる手入れの行きとどいた若い王子(?)に拝謁。ここはドイツ軍と戦って死守した所だから敬意を表しておく。

 トルコ領エフェソス神殿の近くにあるマリア晩年の住居には、警戒心の強い貴族たちが屯していて、なかなか心を許してくれない。さすがは、VirginMaryに愛された末裔たちではある。巨木の股に梟のごとく鎮座する虎さんが、やっとのこらさでカメラに収まってくださる。

 「地球の臍」の地として名高い、2500年前に神託で賑わったと言うアテネ西方のデルフィ遺跡の神の使徒たちの1家は馴れ馴れしく食べ物をねだるのだが、お子様2匹は樹下に隠れてなかなかお姿を現さない。そのお姿は、かつての巫女たちが神官と通じた隠し子の生まれ変わりかもと思われるほどに気高く愛らしい。ここには、薄い朱色のブチを持つ孤高の神官の末らしき風格の貴公子もいて、そのお姿には深く感銘させられたのであった。